最近聴いてた音楽ー

今年もいろいろ聴いてみました。例によって敬称略。

越冬/ICE BAHN

その界隈ではライム・フェチ集団と言われているほど押韻に強いこだわりを持つ、ICE BAHNの代表曲。
スタートダッシュのKITのショートバースを皮切りに、玉露のアクの強いロングバース。玉露は短い単語や熟語でテンポ良く韻を踏むイメージ。リズム的には不規則だけれど、かなり深い。もうからないね、なんて軽い自虐なんかを入れつつ、速いながらずしりと来るフロウ。

続いてはFORK。FORKは兎に角、長い単語や長い区切りで、息つく間も無く韻を踏む。寧ろ踏んでない方が珍しいのではないか、と言う位、ていうか韻を踏まなきゃいけない法律でもあるのか、という位韻を踏む。それで居てリリックの内容がテーマから崩れることがなく、すっとスマートにリレーをつなぐのが流石。
1バース目の凄まじさもさる事ながら、私は2バース目の滑り出しのえげつなさにやられました。2小節をものすごい長いライムで乗り切り、そこからも只管踏み続ける。

KITも2バース目では長めの押韻。韻を強調したフロウではないのでFORKや玉露ほど強くは感じないけれど、ライム・フェチと言われるだけある。
それにしても、韻を踏まないと何か支障でも来すのかって位押韻がてんこ盛り。
また、越冬と言うテーマに沿っていて尚且つ攻撃的なhookがまた好き。ここでもがっつり韻を踏んでいるあたり流石です。

Goat of "SievingAtro"/MergingMoon

アルバムを出すたびボーカルが抜けるという事態をついに3回繰り返したメタルコアバンド、MergingMoonより一曲。
この曲は一番最初の頃の曲に近いかなぁ。最初よりシンセが目立たなくなっていて、代わりに重厚でメタルコアっぽさが増した。
重くて、こういうメタルコアがストライクなので私はこういうの好きだなぁ。以前の和とメタルコアの融合も個性的で好き。

この曲では羊飼いやら、急行列車等と言うテーマがあり、アウトが走行音だったりも。
そういう音ネタを盛り込みつつもしっかり決めてしまうのがマジムン。

病む街/MICROPHONE PAGER

伝説のHIP-HOPグループ、MICROPHONE PAGERより一曲。
95年の阪神淡路大震災をテーマに盛り込み、犠牲者への追悼や、対応に対する攻撃なんかがリリックに含まれていたり。

MUROはかなり震災に対するキーワードを盛り込んでいるイメージ。ストレートなフロウで聴き心地がいいだけに、リリックはズシリと来る。私は阪神の震災があった頃は幼少で記憶もないのだけれど、東日本の震災から立ち直ろうとする人々を思い浮かべてしまう。
私自身も、帰宅難民程度とはいえ巻き込まれた身ですし……。

Twigyは変則的でものすごくテンションの高いフロウ。だけれど、リリックは物凄く攻撃的であり、病む街というテーマにかなりマッチしている。ファストで不規則と言うのが、病んでいる街の雰囲気を表しいてるようにも聴こえる。
それと、最後のフロウ。私は聴くたび、東日本の原発事故を予知しているように聴こえてしまう。考えすぎなのかもしれないけれど。

そしてトラックがまた良い。shamek farrahの「first impressions」と言うジャズが元ネタであり、この曲の怪しい雰囲気を活かし、パーカッションやスクラッチが入る。暗めで怪しい雰囲気なのに、ハイハットの軽さもある。極上のトラック。だからこそ、こんな凄腕のMCじゃないとバースを乗せられないのかな。

東京弐拾伍時がこの曲を元ネタにLucifer's Outという曲を作っていて、それも軽く紹介してまする。
聴き比べるとまた面白い。

極/565 FAMILIA

妄走族のメンバー、565のセルフプロデュースアルバムより一曲。この曲は妄走族のメンバーがメインで参加していて、トラックもジャンクでコアっぽい感じで、このメンバーの攻撃的な雰囲気にマッチしている。
中でも般若とKENTA5RASのバースがたまりませんねぇ。般若はトーンを変えたりテンションを変えたりと、韻やフロウとは別次元のテクニック。これをショートバースの中に盛り込んでくる。
KENTA5RASは突然のグロウルっぽいフロウから入り、そのまま激しい攻撃性を現していく。言いたいことを言うのがHIP-HOPと言わんばかりに攻撃的な面子が多い中でそれが特に顕著。
ラップなのにシャウトしたくなる。ていうか一人でたまにシャウトしてる私がいるんだけれど(

Blah Blah Blah/SiM
疾走感あるメタル、パンクが特徴なSiMより一曲。この曲は取り分け疾走感が強い。グロウルのようなシャウト系はあまりないけれど、メタルなのにレゲエっぽさと言うか、イントロやサビ前なんかのオリエンタルムードがたまらなく好き。
メタルに怪しさを取り入れてる感じがたまりません。

ふむー。